【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第11章 その柵は自分次第
放課後、ジュネスのフードコートにて。
遅れて来ると言ったりせを除き全員が席に着く。
話題は一つ。
昨日のマヨナカテレビに映った少年についてだった。
誰も見覚えが無いと首を捻る中、睦月が少々言いにくそうに小さく手を挙げた。
「あの・・・あの人、見覚え、あります」
「睦月ちゃん、本当!?」
「マジかよ!?どこのどいつだ」
「それが・・・名前はわかんないんですけど、去年、あの人に何かされそうになった事、あります」
まさか。
去年の秋の出来事が脳裏に蘇る。
「おい睦月、もしかしてそれって去年の・・・」
「多分あの人でした。特に目が、何て言うか特徴的だったから。花村先輩は覚えてないですか?」
「悪ぃ。流石に相手の顔までは覚えてなかった」
だけど、もし本当にそうなら俺が見覚えがあると感じた事の理由に辻褄が合う。
「花村君、睦月ちゃん、その去年って・・・何があったのか聞いていい?何か手掛かりがあるかもしれないし」
「天城の言う通りだな。睦月、話しても大丈夫か?」
「はい、大丈夫です」
「睦月、嫌な事思い出させちまってごめんな」
そう前置きした後に去年あった出来事をかいつまんで話す。
去年俺が引っ越して来たばかりの時に、睦月が気持ちの悪い奴に絡まれている所を見つけた事。
すぐに立ち去ったが、そいつは執拗に睦月にカメラを向けて写真を撮ろうとしていた事。
「うわぁ、変態じゃん、そいつ。そんな奴次見つけたら顔にクツ跡つけてやるんだから!」
「里中、落ち着け。けど、それが昨日映ったのと同一人物だとしても素性が判らないな」
「さすが相棒。この街に住んでるんだろうけどな・・・」
「もっとヒントが無いと探しようがないクマよー」