【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第10章 【短編】No.5'coffee
手早くコーヒーをカップに山盛り一杯盛り、湯を注ぐ。
それを軽くかき混ぜて睦月に出してやると、そっと受け取り、口を付ける。
少し躊躇った後に二口目を飲むその姿に俺はようやく気が付いた。
「あぁ、悪かった、砂糖入れるか?」
「は、はい!」
「そんなもん遠慮しないで言え」
「す、すいません」
「因みに悠はミルクも砂糖もたっぷり入れてるぞ」
「え、本当ですか?何か、すごく意外です」
驚く睦月に砂糖とミルクを手渡すと、控えめにそれを掬ってスプーンでカップをかき混ぜていた。
食卓テーブルに向き合って座ると、何だか急に娘がもう一人出来たような気分になる。
既に大きな息子が突然我が家に登場してはいるが、菜々子と楽しそうに遊ぶ姿は姉妹の様にも見えた。
「睦月、知っての通り俺はこの町を守る仕事に就いている。ここに住む人達が安全に暮らせる為だ。睦月もその人達の中に勿論含まれる。だからな、もし何かあって困ったことがあればいつでも俺に言え。そりゃ何でも解決、という訳にはいかんが、何かの手助けにくらいはなるだろう」
「おじさん、ありがとうございます。あの・・・実は前にもおじさんに助けて貰った事あるんですけど、やっぱ覚えてないですよね」
「・・・?そんな事、あったか・・・?」
「去年の秋くらいに、私が外で変な男の人に絡まれたって警察に相談に行った事があって・・・」
そこまで聞いて思い当たる節があった。
そうだ。確かあの時。