【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第9章 眠れない夜を退治しに行こう
「私は、もう誰にも辛い思いをして欲しくない。・・・ましてや殺人なんて。だから、私に力があるなら、私はそれを使いたいです。勿論、このまま事件が終わるのが一番だとは思います」
睦月のその言葉に、俺はふと気づいた事があった。
その想い自体がペルソナに影響してる可能性。
「睦月、俺なんか今気づいた事あんだけど、いいか?」
「なんですか?」
「もしかしてペルソナの持つ能力って、それを持つ人の心をある程度映してるんじゃねーかって思うんだ」
「えぇと、どういう事、ですか?」
「鳴上は多分例外だけど、・・・そうだな、まず俺の場合」
そう言ってテーブルの上の紙粘土で出来たジライヤを指さす。
「風だの氷だのの力はそいつの元々の属性かもしんねぇ。だけど、その他の力について。俺はジライヤが覚醒した時、睦月が目の前で倒れていたからどうにかしてやりたいって思ったら回復が出来た。・・・まぁ、微々たるモンだったけど」
睦月が真剣な眼差しで頷く。
「里中や完二は、相手をブッ倒したいっていう気持ちが強いから、攻撃タイプ」
「あぁ・・・わかるかも」
「んで、天城。多分天城の事だから、里中を支える為に回復出来ればとか考えてたんじゃねーかな。りせも同様、俺達がクマのシャドウに苦戦していたから、正体を見抜こうと思ったから分析が出来た」
「そして睦月。お前は、ペルソナが覚醒した時に俺と鳴上がピンチだったから、『守りたい』っていう気持ちが強かったんじゃねぇのかな」
「確かに、あの時はそんな気持ちでいっぱいでした」
「何で今まで誰も気付かなかったんだろうな。・・・そう考えたら、やっぱ睦月、お前の事、必要かもしんねぇ」
「もし花村先輩が駄目って言っても私は付いて行きますけどね」
小さく笑う睦月だったけど、その決意が固いのは明らかだ。
睦月、お前は・・・強いんだな。