【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第9章 眠れない夜を退治しに行こう
「なぁ、睦月、家まで送ってくよ」
睦月が立ち上がった瞬間を見計らって後ろから声を掛けると、ポニーテールが揺れた。
「でも、先輩の家って反対方向じゃ・・・」
「本当に事件が解決したかも判らねーんだ。物騒だからさ」
「そ、それじゃあお願いします・・・」
遠慮がちな睦月の隣を歩きながら、りせのシャドウと戦った際に自分自身が放った言葉を思い出す。
『家まで送ってくから―』
多分気を失っていた睦月は知る由も無いと判っていても、
一度そう約束したのに、今まで伸ばし伸ばしになっていた事が心苦しかった。
それと、純粋に二人きりになる機会が欲しかった。
着ぐるみ姿のクマにちゃんと仕事をこなすように念を押し、フードコートを後にした。
「な、折角だからちょっと寄り道して行かねぇ?」
「寄り道、ですか」
「っても、商店街は結構飽きちまった感あるし、ココはどうだ?」
「ココ、って、ジュネスですか?」
「そ。さぁお嬢さん、店内をご案内致しますよ、っと」
大仰にお辞儀して見せると睦月は微笑んでくれた。
良かった。この笑顔がまた見る事が出来て、本当に良かった。
「んじゃ、どっか希望はありますか?お嬢さん」