【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第9章 眠れない夜を退治しに行こう
その日の夜が明けてすぐ、再び事件が動き出した。
今度は先輩達の担任、諸岡先生が事件の犠牲になった。
昨日、少し校門で話をしただけでそれ以外の接点は無かったけれど、昨日まで生きていた人が突然死んでしまう。
その事実が私に決して少なくはないショックを与えた。
本来、夏休みの始まりの今日は皆が浮かれる筈の日。
口数が減ったまま、特捜隊の皆が思い思いにジュネスのフードコートへ集合する。
「・・・でも、モロキンがテレビに映った事なんて一度も見た事ねぇよ」
「もしかしたら、向こうではもう殺せないって判ったからこっちで殺したんじゃ・・・」
「私たちのしている事は逆に犯人を追い詰めてしまってた・・・?」
纏まらない意見の中、遠くから誰かが近寄って来る。
深く帽子を被ったその姿に見覚えがあった。
白鐘直斗と名乗ったその少年。
完二がテレビに入れられる直前に会っていた人物。
そして、完二が「気になる」そう言っていた子だ。
「次は久慈川りせを懐柔、ですか」
彼は私達に物怖じせずに名乗った後、探偵だという事を明かし、犯人は高校生であるという事、じき逮捕される事を告げた。
少し慇懃無礼なその態度にりせちゃんが怒りの感情をあらわにするが、
それを気にも留めずに足早に去って行く。
「・・・なんで私達にあんな事教えてくれたんだろ?」
「もしかして、私達疑われてるんじゃないですか?」
「なんなのあの子!私を怪獣って!」
「りせちゃん、多分それ『懐柔』だと思うよ」
「ぶふっ・・・ふ、はははっ・・・!」
「・・・俺ら、こんなんで大丈夫なんすかね・・・」
これ以上は話し合っても進展しないと言う事で、私達の心の様に曇った空の下、その後は各自解散となった。