【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第1章 4月に芽吹くヒーロー
「なぁ・・・お前の言うとおりなんだ。本当は、ウザいのは俺自身だって、本当は、判ってた。心のどこかでこの事件が起こってワクワクしていたのだって事実だ。お前の言う通り、あわよくばヒーローに、って。だけど・・・お前が俺なら、あの子の事、覚えてるだろ?随分前の出来事だし、大した事もしてないこんな俺の事、あんな風に、一番のヒーローだって、そう言っていてくれた。」
「俺、小西先輩が好きだった。確かにこの世界に浮かれていたけど、先輩が好きだった事には変わりはない」
自分の醜さを嫌と言う程暴露された俺の心は、何時の間にか嫌悪から穏やかな物へ変わっていた。
「・・・お前は俺で、俺はお前、なんだな」
暴れていた目の前のシャドウは、他でもない俺自身の心のありのままを映し出したものだった。
死を覚悟したあの瞬間、いきなり飛び込んで来た女の子。
彼女の顔自体は忘れていたけれど、着ていたパーカーには見覚えがある。
あれは、間違いなく俺が去年着ていた物だ。
―半年くらい前。俺が八十稲羽に引っ越して来たばかりの頃―