【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第9章 眠れない夜を退治しに行こう
りせちゃんと別れた後、私は堂島家へと足を運んだ。
今日は菜々子ちゃんと約束をしていた日だった。
「あ!睦月ちゃん!」
玄関先でサマーワンピース姿の菜々子ちゃんが出迎えてくれる。
「睦月ちゃん、こっちこっち!」
靴を脱ぎ、促されるまま茶の間に通される。
いつも菜々子ちゃんがテレビを見ている傍のテーブルには、新聞紙が敷き詰められていた。
菜々子ちゃんとの秘密の約束。
それは昨日の話。
テストが終わって成績が貼り出されると、なんと鳴上先輩は学年トップを取っていた。
帰り道に偶然通りかかった菜々子ちゃんにその事を伝えると、目を輝かせながら、
「お兄ちゃんにごほうび、あげたいな」
と口にしていた。
詳しく話を聞くと、菜々子ちゃんのお小遣いの範囲で準備できる物が最低条件らしい。
小学一年生にしては、とてもしっかりしている子だ。
秘密の会議の結果、菜々子ちゃんは紙粘土で何かを作ると張り切っていた。
が、
「睦月ちゃん。どうしよう。お兄ちゃんへのご褒美・・・あんまりうまく作れない・・・」
「どれ、菜々子ちゃん、見せてみて?」
広げられた新聞紙の上を見ると、着色前の紙粘土がいくつか形作られている。
どれも小ぶりで、紙粘土の袋には半分以上残りの粘土が入っていた。