【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第9章 眠れない夜を退治しに行こう
・・・とは言ったものの、気になって仕方がない。
鳴上と帰路の途中で別れた後に、クマにはさっきの話はもうしない事と、そもそも人の気持ちについて触れ回るのはあまり良くない事、それからこっちの世界での振る舞い方を簡単に教えながらクマをつれて家を目指す。
途中途中、見慣れない物に目を奪われながらも、クマは素直に話を聞いてくれた。
どこまで理解できているかは別の問題みたいだったが。
「ほら、ついたぜクマきち。ここが俺の家。ひとまず今日は泊まってけよ」
「おじゃまするまするクマー!」
両親にはなんて説明しようか。今晩はともかく、明日からどうするべきか。
考える事は山ほどあった。
が、クマの言っていたことが頭から離れない。
「大好きな先輩」は二分の一の確率で、俺の事、か。
「ヨースケ、何ボーっとしてるクマ?あ、リセチャンのポスタークマ!」
ふとクマを見ると、部屋のあちこちを興味深そうに探索している。
「お次に~、お約束のベッドの下には~・・・!なんという事でしょう!なんだかイカガワシイ香りの雑誌が・・・!ヨースケのエッチ!スケベ!マイペット!」
「ちょ、おまっ、勝手に人の私物を漁るな!つうかなんだよ最後のそれ」
「ふっふっふ、クマの語彙力に恐れ入ったか、ヨースケ!」
「はぁ・・・こりゃ今日はテスト勉強は絶望的だな・・・」
呆れながらもクマを見る。不思議と憎さは無かった。
図体はそれなりにあるものの、年の離れた弟でも出来たみたいだ。
見るもの全てが眩しく輝いて見えるって、どんな気持ちなんだろう。