【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第1章 4月に芽吹くヒーロー
「・・・・やあっ!!」
彼女の声と、竜巻が消滅するのは同時の事だった。
衝撃に弾かれた身体がこちらに向かって飛んでくる。
咄嗟にその背中を抱き止める。
モップが地面に落ちる音が響いた。
「大丈夫か」
声を掛けてみると、荒い息をしながら彼女は振り返った。
「め・・・」
「め?」
「メロンパン先輩・・・」
唐突なその呼び名に戸惑いながらも彼女を抱き起す。
すると彼女は落ちていたモップを持ち直し、再び立ち上がった。
「先輩を・・・花村先輩を傷つけるなー!!」
怒ったように叫びながらモップを振りかざしてシャドウに立ち向かう。
シャドウはまた指先に風を込め、再び襲い掛かろうとしていた。
「よせ、危ない!」
俺の呼びかけに応えず、彼女はシャドウに向かって何度もモップを振り下ろす。
「花村先輩はそんな人じゃない!何もかもウザいなんて思ってなんか、ない!私、知ってるもん!」
はぁはぁと息をしながら、それでも彼女は続けて叫んだ。
「それに・・・それに先輩は・・・!私にとって一番のヒーローなんだから・・・!」
言い切ると同時にモップの先が折れた。