【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第8章 【短編】he is affection doctor
「あれ、睦月」
「あれ!?鳴上先輩?何やってるんですか?」
「今日だけ保健委員。頼まれたんだ。睦月はどうしたんだ?」
「それが、ちょっと転んで怪我しちゃって・・・先生に診てもらおうと思って来たんです」
見ると、膝から血が滲んでいる。
「睦月、そこ座って。先生居ないから診るのは俺だけど、いいかな?」
先程まで長瀬が座っていた椅子に座る睦月。
悠が怪我をした所を傷めないようにそっと土を払う。
「あ、あの、多分大した事ないから、絆創膏か何かあれば自分で貼りますんで!」
少し恥ずかしそうに睦月が悠に声を掛ける
「駄目だよ。ちゃんと消毒しないと、雑菌でも入ったら大変だ」
手早く患部の汚れを濡らした脱脂綿で落とし、消毒液を別の脱脂綿に含ませた。
そういえば長瀬には消毒するのを忘れていた、と悠は頭の中で思い出す。
「ちょっとしみるかも。痛かったらごめん」
そのまま乾くまで患部を外気に晒す。
「先輩って、何でも出来るんですね」
先程長瀬に同じ様に言われた事に首を傾げる
「俺って、そんな風に見える?そんな事ないんだけどな」
「なんていうか・・・何でも任せろ!みたいなオーラがあるっていうか・・・」
「無いよ、そんなの」
睦月の物言いに思わず悠の口元が綻んでいる。
「それに、その・・・先輩の白衣姿、なんかすごくカッコイイ、です・・・」
既に乾いた患部に絆創膏を貼りかけていた悠の手が一瞬止まる。