【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第8章 【短編】he is affection doctor
「しかしその白衣と眼鏡、随分様になってるなぁ。THE・理系!なんてな」
「あぁ、折角だから気分だけでもと思って」
長瀬に指摘された通り、悠は保健室に置き去りのままの白衣を、ほんの遊び心で学生服の上から羽織っていた。
ついでに、何か意味がある訳ではないが、常に持ち歩いている例のセルフレームの黒の眼鏡も一緒に。
「そうだ。来月、サッカーの練習試合あるから鳴上助っ人で来てくれないか?一条にも声かけてみるつもりだけど、お前が居れば勝てそうな気がする」
「そうだな、予定が合えば。まぁ、勝てるかはわからないけど」
「おう、考えといてくれ。んじゃ、そろそろグラウンドに戻る。鳴上、またな」
一気に飲み干したスポーツドリンクの空ボトルをゴミ箱に放り投げ、長瀬は去って行った。
ふと悠が時計に目をやる。
まだまだ帰宅の時間までに余裕がある。
今度こそ鞄の中の本を取り出そうとした時、遠慮がちな音を立てて保健室の扉が開いた。