【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第7章 ノイズの交差点
ぞろぞろと歩いて広間に戻る。
傷が回復したとはいえ、まだ多少ふらつきが残る。
つい足元の段差に躓いて、つま先が宙に踊る。
が、
覚悟した衝撃は私の身体に到着する事は無かった。
代わりに身体がふわりと浮く。
「え!?」
振り向くと、すぐ傍に花村先輩の笑顔。
転ぶ寸前の態勢から、ひょいと膝を持ち上げられそのままお姫様だっこをされていた。
「無理すんなって」
「え、え、あの・・・」
両手が行き先を無くし、胸の前で祈るような姿勢になる
「ほら、危ねぇからちゃんとつかまって」
そう言われておずおずと先輩の首元に手を伸ばす。
「はいはーい。勇者の凱旋ですよーっと。退いた退いたー」
花村先輩は私を抱きかかえたまま身軽に仲間の間を走り抜けた。
「ぶふっ・・・花村君、自分で勇者って言ってる・・・あははっ・・・!」
「雪子、それ多分違うでしょ・・・勇者って睦月ちゃんの方でしょ」
「じゃ、じゃあ花村君、馬・・・?ふ、あはははっ!」
「二人とも、聞こえてるんですけどねぇ。誰が馬だ!誰が!」