【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第7章 ノイズの交差点
ふわふわした感触と、温かさ。
それに、何だか動物特有の香り。
目が覚めると、いつの間にそこにいたのか一匹のキツネが私の身体に寄り添うように丸くなっていた。
「えっ!?」
テレビの中に・・・狐?
誰が付けたのか、ハート柄の前掛け、
キツネの目の片方は、切傷らしき跡。
この狐には見覚えがある。
そうだ、以前辰姫神社で見かけたような・・・
だけど一体何故ここに・・・?
突然狐がパッと目を開け、立ち上がる。
その視線を追おうと眼鏡を掛けなおすと、見知った仲間たちがこちらへ向かって来ていた。
「大丈夫か!」
鳴上先輩が私に駆け寄り、心配そうに声を掛けてくれた。
「なんとか大丈夫です。えっと、あの」
聞きたい事がありすぎて口が上手くまわらない。
代弁するかのように狐が小さく鳴いた。
「そうだな、まず皆の回復が先だったよな」
まるで狐の言っている事が判るかのように鳴上先輩が返事をする。
さらにそれに返事をするように、狐がどこから取り出したのか、小さな葉っぱを咥え、先輩に渡す。
「ありがとう。あとで神社にお礼をしに行くから」
そう言って鳴上先輩は受け取った葉っぱを天城先輩に手渡した。