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【ペルソナ4】 Shining one Day by day

第7章 ノイズの交差点



「・・・きろ・・・!起き・・・って」


「ぅ・・・」

割れる様な頭の痛みと、鉛の様に動かない身体。


身体がバラバラにでもなってしまったかと思い、無理矢理指先を動かすと、僅かに感覚がある。


(あれ・・・私・・・どうなっちゃったんだろう・・・)

ぼんやりした意識の中、私の名前を呼び続けている声が耳に入る


「睦月っ・・・起き・・・返事・・・」


すぐ近くで先輩の声がするのに、ノイズに阻まれた様にうまく聞き取れない。


重い瞼を開くと、学生服が視界に入る。


続いてヘッドフォンと、見慣れた茶色い髪。


先生に怒られながらも染髪している、少し痛んではねている毛先。

多分、これは幻で、きっと皆今頃・・・


花村先輩・・・私、先輩の事守れなかった・・・ごめんなさい



「花村・・・せんぱ・・・い」

「睦月!?睦月!大丈夫か!?」


揺さぶられる感覚で徐々に意識を取り戻す。


目の前に見えた学生服は幻でも何でもなく、間違いなく一番守りたかった花村先輩、その人だった。


「あれ・・・?私生きて・・・る・・・?」


泣きそうな花村先輩の顔が近づいたと思う間も無く、ぎゅっと優しく抱きしめられる。

「良かった・・・!本当に、もう駄目かと思った・・・!」

「先輩!?」

さっきまで朦朧としていた意識がはっきりしてくると、鉛の様に重たかった身体に少し自由が戻る。


その指先でそっと抱きしめ返した。


指先に伝わる学生服の触感が、これが現実だという事をはっきりと教えてくれた。
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