【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第7章 ノイズの交差点
クナイを握る俺の手が汗で滲んでいる。
特攻したクマがりせのシャドウを倒したと思ったら、今度はりせの言葉を引き金にクマに異変が起こった。
「本当の自分なんて無い」
この言葉がクマのシャドウを呼び覚ましてしまったらしい。
地割れが起きたと思ったら、その中から大きくて不気味なシャドウが現れる。
それは、良く見知ったクマに似て非なる異形だった。
剥がれた内側から覗く闇と、その中でぎらりと光る禍々しい眼光。鋭い爪。
三日月の様に不自然に口角を上げた不気味な口元。
その姿はクマの内に秘められた闇、そのものだ。
俺のすぐ後ろには、睦月が身体を横たえている。
クマが飛び出して行った直ぐ後に倒れたままずっと動かない。
一刻も早く手当てをしないと。
嫌な予感が心臓の鼓動を加速させる。
その時、りせが立ち上がり皆に指示を出し始めた。
りせのシャドウだった物が心の鎧、ペルソナに姿を変えてりせの後ろに立ち、アンテナを張り巡らせている。