【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第1章 4月に芽吹くヒーロー
辿り着いた場所は、商店街にそっくりな街並みだった。
だが、空は赤黒く渦巻き、濃い霧が不気味さを醸し出している。
この異様な商店街の中に陽介がいると睦月は確信した。
「いるとすれば・・・早紀ちゃんの家・・・だよね・・・」
霧の所為で視界は狭い。だが、生まれ育った町と殆ど違いの無い道に、睦月は迷う事は無かった。
酒屋の入り口に近づくと、中から話し声がした。
聞きなれた大好きな声と、それにノイズを混ぜたような声。
それは互いに争っているような口調だった。
陽介の声同士が争っている意味が解らずに、一瞬足を止める。
その瞬間、後ろから誰かの気配がした。
嫌な予感が背筋を襲い、ゆっくり振り返ると、そこには睦月自身の姿があった。