【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第7章 ノイズの交差点
―昼休み―
「なぁ、鳴上、昨日のマヨナカテレビ見たか?ス、ストリップってアレだよな?りせちーがストリップって!」
「落ち着け、花村。今回はゆっくり助けよう」
「先輩達、何言ってるんスか。今日から行くんでしょ?」
この頃には誰ともなく屋上に集まって昼食を食べる事が日常化していた。
完二も前より学校に来ることが増え、本人曰く「出席日数のためだ」と言っていたけど、皆とこうして過ごす場所に居心地の良さを感じているらしいのははっきりとしていた。
「それにしても、俺ん時もあんなん映ったんスかね。あれはキツいな」
「ある意味もっと凄かったけど、聞きたい?」
「天城先輩止めて下さいっス」
「前よりもマヨナカテレビの噂、広まっちゃってるから絶対阻止しないと。そう言えばクマ君、どうしてるかな?あれからしばらくテレビの中に入ってなかったよね」
「あの、クマ君って・・・どういう存在なんですか??」
聞きそびれていた事を口にすると、皆眉を顰め、首を傾げる。
「そうだな、俺達にも正直判らない」
「つうかあいつ自身も自分の事忘れてるっぽいしな」
「ぶっちゃけ、可愛いけどちょっと怪しいよね」
「でも、クマさんが作った鼻眼鏡、本当にすごかったよね」
「鼻眼鏡?なんすかそれ」
完二が尋ねるも、既に彼女は思い出し笑いに夢中になっている。
千枝先輩がその様子を飽きれながら見守る。
「いや、別にそれ知らなくていいかも・・・」
「ぶふっ・・・眼鏡・・・!私あっちの方が良かった・・・!あははっ・・・!」
「雪子はいい加減戻っておいでよー」
和やかな雰囲気の昼下がり。
放課後には命を懸けて戦うかもしれないのに、こうして笑って居られる皆が、強くて羨ましい。
―私なんて、人ひとりに思いを告げる事すら出来ない臆病者なのに―