【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第7章 ノイズの交差点
「待てっつってんだろーが!」
声の主がついに私を追い抜かしたと思ったら、くるりと振り返り私へ向き直る。
「ひぃ!・・・え、完二・・・!?」
「やっぱ睦月かよ。シカトすんなっつうの」
「ご、ごめん、びっくりしてつい・・・」
「お前、今帰りか?」
「うん、鳴上先輩の所で晩ごはんご馳走になって。それでこんな時間に」
「そっか。んじゃ散歩がてら送ってやっからよ」
「だ、大丈夫だよ」
「いや、お前さっき普通にビビってたじゃねーか」
「完二は何やってたの?」
「別に。何か真っ直ぐ家に帰る気しねぇからウロウロしてただけだ」
「そっか。・・・それじゃ、お願い」
一度は断ったものの、シャドウについて考えているうちに膨らんだ不安と恐怖。
それを紛らわせるには完二に送ってもらえるというのは有り難い申し出だった。
「・・・なんつうかさ」
私の歩幅に合わせてゆっくり歩く完二が呟いた。
「お前さ。自分のシャドウと向き合った時、どうだった?」
ついさっきまでその事を考えていたのをまるで読まれたかのようなタイミング。
「俺はその、マヨナカテレビに映った訳だし、先輩らには全部見られちまったけど、お前のって誰も見てねぇんだよな?」