【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第7章 ノイズの交差点
静まり返った商店街を一人で歩く。
シャッターで閉まった家屋が多いのもあり、商店街とは名ばかりで午後八時を過ぎれば人通りも殆ど無かった。
長距離間隔の街灯。
それもいくつかは今にも電球が切れそうにチカチカと瞬いている。
こうして一人で歩いていると、四月の事が頭をよぎる。
そうだ。あの日もテレビの中でこうして一人で歩いていたんだった。
テレビの中の商店街程異様な気配は無いが、人の気配の無いここはテレビの中のあの場所を思わせる
。
今にも後ろから自分のシャドウが声を掛けて来そうな雰囲気に思わず足が早まる。
あの時、私のシャドウは言った。
「今は力を貸してあげるけど」
先輩達や完二と私の場合を比べると、私は自分のシャドウを完全に受け入れ御した訳では無く、単に一時的な和解をしただけで、根本的に解決したわけではない。
いつかまた私のシャドウは私自身の前に立ちふさがるのだろうか。
「おい」
不意に後ろから声が掛かり、何かを考えるより早く私は駆け出していた。
が。
「おいって!」
尚も追って来る声と気配。
ふり返る勇気も無く、大声でも出してみようかと思案した所だった。