【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第7章 ノイズの交差点
「ただいま」
玄関が開く音と共に鳴上先輩の声がする。
「あ!おにいちゃん!おかえり!」
「菜々子、遅くなってすまない」
「だいじょうぶ!今日はね、睦月ちゃんといっしょだったから」
「あぁ。ありがとう、睦月」
「それじゃあ先輩、私はこれで」
「待って。実はさっき、叔父さんに会った。それで、睦月の事話したら晩御飯一緒に食べていけ、って言ってたから」
そう言いながら先輩は持っていた愛屋の袋を軽く持ち上げてみせた。
「おとうさん、今日も遅い?」
「そうみたいだ。菜々子、今日は睦月も晩御飯一緒だから、人数分のコップとお茶をお願いできるかな?」
「お兄ちゃん、まかせて!」
小さな足音を響かせて台所の方へ向かう菜々子ちゃん。
『お兄ちゃん』から任された大切な任務を遂行すべく、戸棚のコップを出そうとしている。
その一生懸命な姿があまりに可愛くて、私に笑顔が広がった。
「睦月、今日、りせに会えた」
その様子を見守りながら鳴上先輩が囁いた。
「あ・・・それで、どうでした?」
「本人とマヨナカテレビの事を少し話をしたけど、昨日のは自分じゃないって否定してた」
「どういう事なんだろ・・・」
「わからない。だけどこのままの流れだとりせはまだ狙われてる可能性がある。しばらく見張りは続けようと思う」
「おにいちゃん!臺ちゃん!ばんごはんの支度、できたよー」
菜々子ちゃんの明るい声。
「ホントに一緒しちゃっていいんですか?」
「あぁ。二人より三人の方が、楽しいと思わないか?」