第3章 悪夢の先へ
「はーい!俺が行く!」
「あほ面は黙ってr「私が行くー!」」
HRなのにうるせぇ…
少し居眠りをしたかったのだが、
周りが騒がしくて眠れない。
おそらく亜依の迎えで、2人くらい病院へ行けという相澤先生の命令で2人を決めているのだろう。
くそ、乗り遅れた…
まぁ俺は帰ってきてから話すつもりだったからいいんだけどな。
「昨日は…緑谷と切島と蛙吹がいったんだな。じゃあそれ以外で…くじ引きな。」
「「「えええええー!」」」
先生はそう言って名前の貼られた割り箸を取り、紙コップの中に入れて振る。
どうせ当たんねぇだろ…
「轟と飯田。行ってこい。」
そんな事言ってたら当たった。
突っかかってきた爆豪を周りが止め、
俺たち2人は病院に到着した。
「確か亜依くんの病室はこの階だったな」
本人呼び捨てでいいって言ってたのに律儀だな…
看護師に教えて貰った病室へ向かう途中、
俺らと同じくらいの年頃の男子が前方から歩いてきた。
何かを呟いているみたいだ。聞こえねぇが。
まぁ興味はないし、誰かのお見舞いだろうとその男子とすれ違った瞬間
「君たちの好きな彼女はもう僕のものだ。」
その言葉は飯田にも聞こえたらしく、少し動揺していた。
急いで後ろを振り返ってもそいつはもういなかった。
危険な状態なのかもしれないと慌てて病室を開けると、笑顔で手を振る亜依がいた。
「亜依くん!誰かに変なことされていないか!」
『…?なんのこと?されてないけど』
「俺らの同じくらいの年で…」
『いや、何もされてないけど。』
なんだったんだあれ。
そのあとは何事もなく寮まで来れたが、
飯田と俺には疑問が残った。