第3章 悪夢の先へ
『暇だぁー』
今日の夕方には、退院出来るし、動くことも出来るけれど…
暇だ。暇すぎる。
みんなは学校に行ってるし、やることが無い。
車椅子は横にあるけど、動くなってお医者さんやみんなに言われてるからなぁー。
「もし、クラスメイトの中で付き合うとしたら?」
「女の子でもいいのよ。」
ふと、頭の中に鋭児郎と梅雨ちゃんの言葉が浮かぶ。
好きな人なんて考えたことない。
ましてや告白なんてもってのほか…
このまま女子でいることが良いことなのか。
まぁ元々女子なんですけどねー。
『好きですっ!…なんてなー』
「それ、誰に伝えるの…?」
『ぅえっ!?』
見ると、小さな男の子が立っていた。
病室同じだったっけ…
『いや、ただの独り言だよ!』
「独り言で告白してたの…?」
うっ…←
純粋怖い。すぐ間に受け止めるんだからー
『誤解だよ…好きな人がいるわけじゃないし。』
「じゃあさ、僕と付き合って?」
『へ…?』
水色の透き通るような目が私を見つめてくる。
めっちゃ可愛いッッ!
「お姉ちゃん好きな人いないんでしょ?僕のお嫁さんになって」
すんごい唐突ッ!
心の中で吐血してるんだから回復までちょっと待ってくれ…。
とりあえず適当に流しとくか。
『そうだねー…君が大人になったらねー。』
「絶対だよ…?」
『うんー気長に待っとくよー』
そう返事すると、男の子は嬉しそうに去っていった。
同じ病室の子じゃなかったのになんでわざわざこっちに来たんだろう。
そういえば名前聞いてないけどいいか。
どうせ大人になる前に忘れてしまうだろうし…
きっと大丈夫。