第3章 悪夢の先へ
敵に襲われたあと、気を失った亜依を
上鳴に任せて、俺と爆豪は相澤先生に状況を説明していた。
「お前らは…少し怪我してるだけだな。…敵は警察に届けたからもう出てきやしない。安心しろ。」
すると、相澤先生の携帯が鳴った。
内容から察するに、亜依のことだろう。
「どうだったんですか。」
「上田は雄英に管理されている病院。すぐそこにある所で2日間安静だ。お前らももう遅い。早く寝ろ。」
職員室から出たあと、すぐに自室に戻って考えた。
もしあの時、誰も助けが来なかったら、
今頃敵に…
反転させる個性じたいが無ければ使えない。
そこは最大の弱点だ。何が起こっても、
俺が個性で守れるように、頑張らねぇと。
ーーー
「お、緑谷!亜依どうだった!」
「実は…目を覚ました瞬間過呼吸と吐き気がきてたみたいで泣いてた。…僕にはそばにいてあげることしか出来なくて。」
緑谷は少しだけ目が腫れていて、一緒に泣いてたんだなと察しがついた。
「いやいや、よくやったよ。帰って休め。また明日!」
「ありがとう切島くん!また明日!」
やっぱり昨日のトラウマが…?
先程教えて貰った病室をノックして静かに開ける。
『えいじろ…?』
「大丈夫か…?ほら、りんごもってきたぜ!」
すると、亜依は無邪気な笑顔を向けてきた。
せめてカメラで撮りたかった…!
あらかじめ切ってきていたのでそのまま食べてもらった。
『美味しいー!』
「良かったぜ!」
しばらく食べ続けたあと、少し気になって質問をしてみた。
「亜依って好きな人とか、いないのか?」
まさか自分に好意を寄せられているとは思ってもいないだろう。
『…?いないよ。』
即答だった。
「じゃあ、もしクラスメイトの中で誰かと付き合うとしたら…?」
なんで期待してるんだ…俺。