第3章 悪夢の先へ
「俺の目的はただ亜依だけだ。」
そう言い放つと部屋が一瞬で真っ白な空間になった。
「なんだこれ…」
唖然としている鋭児郎に爆豪が答える。
「あいつの個性じゃねぇ。そうなると近くに仲間がいるはずだ。」
「相談は終わったかい?じゃあ殺るよ。」
一斉に棘が飛んでくる。
掠りでもしたらどうなるのか。
目の前のことに集中しろ。2人も巻き込んでしまっているのに自分は何も出来ていないじゃないか。
先程コピーした爆弾を手に持って敵に投げつける。
「そんなんじゃ効かな…」
爆弾の規模を考えていなかったのもあるが、
爆風を起こし、白い空間にヒビが入った。
おそらく原因はほぼ爆豪の威力の強さをコピーしたからなのだろう。
鋭児郎の反転は軟化だからゴムボールみたいな感じ。
はねるボムなので予想以上に壁にぶつけたから…
気をつけて投げよう。
「ここにヒビをいれたくらいで俺にはなんの支障もない。」
今度は地面からツタを出して、うちに集中攻撃してくる。
「クソッ…」
爆豪と鋭児郎は優弥に対して爆破と攻撃を続けている。
こんな爆弾で、倒せるのか?
でも、自分がやらなければ。
個性を最大限に使い、巨大な爆弾を作る。
『二人とも、避けて!』
ヒーロー科の瞬発力はすげぇなと思いながら
思い切り優弥へと蹴りあげる。
爆豪が爆弾へ爆破したのでさらに火力がまして、
尋常じゃないほど大きな被害が及んだ。
「おいっ!お前ら大丈夫か!」
他のクラスメイトの声が聞こえてあたりを見渡すと白い空間が消えていて、優弥が縛り上げられていた。
よほど騒音だったのか、プロヒーローたちも駆けつけてくれている。
「本当に無事で良かった…って亜依!?」
電気の声やみんなの声に安心して、
うちはいつの間にか意識を失ってしまった。