第3章 悪夢の先へ
「雄英のセキュリティもすごいなぁ。でも、こっちも負けてない。」
『優弥!もうあんたには騙されないッ!』
窓ガラスが割れた瞬間やつが来たのだと確信した。
でも反応が向こうの方が早く、出入口を塞がれてしまった。
結構大きな音がしたのだから誰か来てくれるかもしれない。手元に持っていた携帯はちょうどメッセージの画面だったから敵に隠した状態で連打をする。
誰にうっているのかも分からないし、送信出来ているのかもわからないけどこれしかない。
叫べば爆豪は来てくれるだろうか。
そう考えているうちに、優弥が大きな棘を持って背後に回っていた。
「敵がいるのに考え事かい?」
『ッ!』
ゴトッと音を立てて携帯が手元から落ちる。いや、落とされたが正解である。
「亜依のためにこっちへ入ったんだ。君がいてくれなきゃ困るよ」
『そんなの関係ない!』
周りにあるものを投げつけても、相手には何も外傷を与えられない。
1人だと無力だから。そこに目をつけられたのだろう。
でも、諦めるもんか。
力いっぱい壁を殴り込む。
手が血だらけになっても一心に叩きつけた。
「壁なんか殴っても意味n…」
その時だった。
BOOOOM!!
激しい爆発音と熱風が体に響く。
「…もっと早くに呼べや。」
「悪ぃ亜依!遅くなっちまって」
『爆豪、鋭児郎…!』
「…ッチ邪魔者が。」
咄嗟に爆豪と鋭児郎に触れて個性を発動する。
…なるほど「爆弾」の個性か
個性を発動すると小型の爆弾。
これならきっと…!
「じゃあショータイムを始めるか。」