第2章 寮生活
「ヤオモモすごいじゃん!」
「第一候補じゃない?」
寝る前に皆でヤオモモの部屋に集まって
女子会らしきものをしていた。
恋バナなんてそこまで興味はないけど、
ここにいるうち以外が亜依を狙っているみたいだから興味惹かれるじゃん?
まぁうちは狙ってないことはないんだけど顔で決めつけるのもちょっと嫌だからさ。
「響香ちゃんはどう思ってるのー?」
「いや、うちは別に」
「そう言ってー!こっそり狙ってるんでしょー」
どんな作戦なんだよそれ…
明日もこの時間にっていうことで解散になった。
梅雨ちゃんと同じ階だけど寮の近くのコンビニに寄るためにロビーへ向かった。
まぁ、ジュースとお菓子くらいなんだけど…
その帰りに、共同スペースに誰かの声がしたから近づいてみる。
轟と緑谷か。体育祭以降、よく一緒にいるのを見かける。仲いいな。
「轟と緑谷?なにしてんの?」
「じっ耳郎さん!これは…あの、違くて」
なにわたわたしてんの?なんかしてたの?
「緑谷。そんな慌てることねぇだろ。ただの相談してたんだ。」
「ふーん。どんな相談?」
緑谷は少し焦っているが、轟の方は落ち着いている。
「俺ら二人とも亜依のことが気になってて、もやもやしてんだ。他の奴らもそうかもしれねぇと思ってんだけど…」
え、ホモなのこいつら…マジどうしたの。
「耳郎さんにお願いがあるんだ…個性で、亜依…のこと、調べてくれないかな。」
いや、え。調査は得意なんだけど、え。
「ま、まぁいいけど…」
渋々承諾したものの、これどうすればいいんだ…
自分の部屋へ戻ったあと、しばらく考える。
電話してみるか。
コールがいくらたっても切れない。
やっぱ寝てんのかな?
明日から調査…大丈夫かなー。