第2章 寮生活
昼食後、買い出しは夕方だからそれまでは自由な時間ができる。
『出久ー?入るよ』
「えっ、上田くん!?ど、どうぞ」
わお…すげーオールマイト部屋だな。
『亜依って言ってみ』
「…亜依…なんか慣れないよー!」
名前呼びする習慣がそんなになかったのかな。
「亜依くんでもいい?」
『だめ。それは俺が許さない』
性別が違うからというかなんというか、呼び捨ての方が楽だ。
「が…頑張るよ!」
ふと出久が書いていたノートを見ると、俺の名前が書かれていた。
『何それ、DEATHNOTE?』
「ないっそんなわけない!…亜依のっ個性反転しか知らなくて、色々教えて欲しいんだ。個性のことだけじゃなく、その…好きなものとかも。」
『なるほど。努力家だねー。好きなものとかは全然教えてもいいんだけど、個性のことは俺でもそんなにわかってないから全然教えられないんだけど大丈夫?』
「全然平気!じゃあ教えて貰っていいかな」
『個性はその名の通り反転。様々なものを反転できる。まぁ逆転でもいいんだけど。あと、人の個性を反転コピーできる。』
「反転…コピー?」
例をあげた方がいいか。たしかに分かりにくいからな。
『例えば相澤先生の個性を反転コピーすると、抹消はつかえねぇんだけど、その逆は使える。どういう個性かわかるか?』
少し考え込んでから口を開く。
流石は雄英。頭いいな。
「強制発動?」
『そうだ。長くて1週間その個性を使える。併用は不可。同じ人に触れて個性を使うと解除される。個性についてはこれ以上言えない。もっと可能性があるかもしれねぇし、また発見があれば伝えるよ』
「謎が多いけど、すごくいい個性だと思うよ!かっこいい」
初めて言われたなそんな言葉。
純粋無垢な瞳で見つめられるんだから
照れるな…
『出久は…羨ましいな。』
「へ?」
やべぇ。
『じゃあ俺そろそろ買い出し行ってくるな。』
そう言って早足で待ち合わせのロビーへ向かった。