第9章 特別な1日 ( 大神 万理 2019生誕 )
千「万、冷蔵庫とキッチン借りるよ。ここに来るまでに材料は揃えてきたからね」
「材料って、今からなにするつもりだよ」
千「まずは、僕がモーニングを作ってあげるよ。朝食は体の資本だろ?」
夜更かし大王で朝は食べないお前がよく言うよ。
百「ユキ!オレ朝からガッツリ肉食べたい!」
千「ダメ、メニューはもう決めてあるんだ。今日はグリーンスムージーとフルーツサラダ、それから焼きたてのパンに・・・」
女子か!と、ツッコミを入れたいところだけど、今は我慢しておこう。
百「バンさん、オレ喉乾いちゃった。カップ借りてもいい?」
「え?あぁ、別にいいけど」
千がなにかやらかすんじゃないかとキッチンから目を離せずに返事をすれば、百くんが食器棚へと向かう足を止めるのが見えた。
百「ん?なんか落ちてる・・・って、えぇっ?!コレって・・・えぇっ?!?!」
大きな声を出す百くんの手元を見れば、そこにあったのは。
「なんでそんな所に!!」
百「こんな物を持ってるなんて・・・バンさんの、エッチ!」
「違ーう!!それは愛聖が!」
百「マリーが持ってたの?!」
「それも違う!それは、そう!千が!」
千「僕?僕は昨日、ちゃんとお仕事してたけど?」
千・・・分かってて言ってるだろ、お前。
千「そうそう。そう言えば万、僕からのプレゼントは気に入ってくれた?」
「あのなぁ、千。俺はびっくりしたよ!」
千「なんで?僕は万が両手を上げて喜ぶと思ったのに?だって、必要なんじゃないかな?って思ったから」
「喜ぶか!!それにそれくらいは俺だってちゃんと用意し・・・」
しまった!!
楽しそうに微笑みを浮かべる千の顔を見て、自分が口を滑らせたことに気付くも・・・遅い。
千「へぇ・・・そう。万は “ ちゃんと ” 用意してるんだ?」
百「用意って・・・まさかバンさん、昨夜・・・」
なぜか顔を赤らめながら百くんが俺をチラチラと見る。
「な、なにも・・・ないから!」
千「万を見れば昨夜どれだけ特別な夜を過ごしたのか、一目瞭然」
フッ・・・と笑いながら、千が自分の首筋を指先で辿る。
・・・首筋?
あぁっ!!
百「バンさん、やっぱりマリーとイチャラブナイトを?!」
千「ご想像にお任せします?」
なんで千が返事するんだよ。