第7章 俺って、エロ担当らしいよ ( 四葉 環 )
『み、見ててね四葉さん···行くよ!』
「おー、頑張れ」
ちょっと緊張した顔をしながら、マリーがボードに足を乗せる。
スーッとボートが動いて、マリーがセットの端から端までボードに乗ったまま滑り出した。
『見た?上手になったでしょ?!』
「最初に比べたら、すげー乗れるようになってんじゃん」
最初はマジで乗れてなかったし。
「ちょっと乗れるようになったから、次はUターン出来るように教えてやんよ。ボード貸してみ」
マリーからボードを受け取り、お手本を見せるとマリーが拍手しながら俺を凄いと褒めてくれた。
こんなの、簡単なんだけど。
でも、マリーが褒めてくれると、なんか嬉しい。
それからずっと、マリーに手を貸しながらターンのやり方を教えてたら、そーちゃんが誰かと話してるのが見えて、ペットボトルを受け取ったそーちゃんがこっちに歩いて来た。
壮「二人とも、スタッフさんがどうぞって僕達に」
『あ、これ撮影中のスポーツ飲料だよ!まだ発売前だからお得な感じ···って、私は何度も飲んでるけど』
「へぇ、まだ売ってねぇの?じゃ、俺ら超ラッキーじゃん」
そーちゃんから受け取って、セットに腰掛けて口を付ける。
ふ~ん···スポーツ飲料なのにちょっとだけ炭酸入ってんだ?
微炭酸ってヤツだな、って言おうとしてマリーとそーちゃんのラベルデザインがそれぞれ違うのに気が付いた。
「これ、三人とも味違うのか?」
『そうだね、四葉さんのはレモン味、逢坂さんのはマスカット味で、私のはピンクグレープフルーツだよ』
「マリーのヤツ、美味そう···飲まして」
壮「あ、じゃあ僕がスタッフさんにカップ貰って来るよ」
「別にいいよ、そのまんまで」
壮「環くん?!」
マリーからペットボトルを受け取って、ひと口飲む。
「美味い···さっぱり系だな」
でしょ!って笑うマリーの横で、そーちゃんが変な顔してる。
「そーちゃんも飲む?」
壮「あのね環くん?いくら仲良しでも愛聖さんは女の子なんだからさ、同じペットボトルを回し飲みするのは、ムグッ···」
なんか説教されそうだったから、そーちゃんの口に無理やりペットボトルを押し付けて飲ませる。
壮「ゴホッゴホッ···」