第7章 俺って、エロ担当らしいよ ( 四葉 環 )
「カッート!!今の凄く良かったよ愛聖ちゃん!!じゃあ、ご褒美にちょっと休憩入れようか」
『はい!ありがとうございました!』
いまのって、演技···だったのか?
なんか俺、ちょっと勘違いしそうだった。
けど···
いまのマリーのふわふわの笑顔···すげーかわいかった、な。
『四葉さん!逢坂さん!』
俺たちの姿を見て、マリーが駆け寄ってきた。
壮「お疲れ様、お邪魔してます」
「マリー、お疲れ。怒られてたけど、ちゃんと出来て良かったな」
さっきの撮影の事を言うと、マリーは注意されてた所から見てたのか···と肩を竦めた。
『なんか上手く出来なくて何度も注意されたけど、四葉さんのお陰で褒められちゃった!ありがとう』
「え、俺?まだ何もしてねぇけど」
っていうか、見てただけだし。
『監督が言ってたでしょ?ずっと待ってる人にやっと会えて嬉しそうに笑うんだって。私ね、最近ずっと四葉さんに会えなかったから、会いたいなぁって思ってて』
「俺?」
『うん、そう。スケジュールが入れ替わりが多かったし、昼間は逢坂さんとは時々顔を合わせてたけど、四葉さん学校あるから寮でも会えなかったし。少しだけどスケボー乗れるようになったから見せたいなぁって思ってたら、さっきカメラの所に四葉さんがいたから、嬉しくて』
あぁ、なるほど。
だから、俺と目が合った時にふわふわの笑顔だったのか。
···納得。
「じゃ、見てやっから乗ってみ?」
『ここで?!』
「さっきマリーがいたところなら、ここより広いし平気だろ?」
俺がそう言うと、一応監督さんに聞いてくるねって言ってマリーがおっさんの所に走って行った。
壮「愛聖さんは環くんがいない時も、一生懸命に練習してたんだよ。その時はケガしたら困るから、一応僕が側にいたんだけどね」
へぇ···そーちゃんが一緒にいたのか。
···なんだろ、このモヤモヤする感じ。
『四葉さん!監督さんがオッケーだって。ケガしないようにするなら休憩の間はセットの前で練習していいって』
壮「僕達はここで見てるから、環くん行っておいで?愛聖さんの師匠、なんでしょ?」
「おぅ、俺が師匠で、マリーは一番弟子。じゃ、行ってくっから」