第6章 秘密のKISS (2019.2.14 大和 生誕)
『ストーップ!みんなで怪しげな想像を膨らませるのはやめてください!まったくもう···二階堂さんも、ムリに今スグ使わなくても大丈夫ですから。必要がなければ破棄してください』
えー···それはもったいない。
ってことで。
「よし、決めた!愛聖、ちょっと耳貸せ」
『あ、はい···?』
なんの疑問も抵抗も持たずに顔を近付ける愛聖に、イタズラ心が起きて···
「フゥー···」
『うひゃぁぁぁぁ?!に、二階堂さん?!』
「なんつー色気のない叫び声···」
呆れ顔で笑えば、顔を真っ赤にさせて耳を押さえる愛聖がオレを見る。
『前にも言いましたけど、それはやめてください!』
「そうだっけ?お兄さん忘れてたわ。ま、そんな事より、コレ使おうかなぁと思うんだけど」
手元にあるカードをまたヒラヒラとさせれば、その場にいる全員が何に使うんだ?と集まってくる。
そんなに興味あるのかね···なんでもお願い1回だけ聞いてくれるってやつに。
『それで、二階堂さんのお願いってなんですか?』
「それはねぇ···ここではちょっと、言えないかな?」
フフン···と笑って眼鏡を指先で上げれば、部屋のライトが反射してキラリと光る。
三「愛聖、気を付けろよ···あの顔はろくでもない事を考えてっぞ?!」
一「そうですね···例えお菓子をあげるからと言われても、簡単について行ったりはしない方がいいですね」
オレは誘拐犯かっ!
環「ヤマさん、エロ狙い?」
陸「えっ?!じゃあやっぱり?!」
おいおい、やっぱりってなんだよ。
「おまえさんたちがどんな妄想を膨らませてるか知らないけど、純粋な気持ちでカードを使うぞ?ってことで、愛聖は今からお兄さんの部屋に来なさい」
『部屋?!』
ナ「oh?!ヤマト!スエゼン食いますか?!」
「食わねぇよ!マッサージだ、マッサージ!!」
「「 マッサージ?! 」」
「お兄さんお疲れモードなの!ガチガチなの!んで、お願い1回だけ聞いてくれるってなら、マッサージが最優先だろっての!」
三「ガチガチって···」
壮「マッサージくらいなら、僕がいつでもやってあげるのに」
いやいや、オレはソウじゃなくて愛聖にして欲しいのよ。
「そんじゃ、オレの部屋に移動!」