第6章 秘密のKISS (2019.2.14 大和 生誕)
中から出て来たのは、シンプルながらもオシャレなネックウォーマーで。
『二階堂さんって、寒くても関係なくコンビニ行ったりするし、だからこういうのってどうかな?なんて···バレンタインのチョコはみんなにですけど、お誕生日は二階堂さんだけだし』
添えられたカードを手に取れば、裏側には···ん?
「なんでも1回だけ言うことを聞いてあげます券···?なんだこりゃ」
『えっと···なんとなく、副賞···的な?』
「なんでもって···なんでも?」
1回だけしか聞いて貰えないお願いなら、男としてはやっぱアレっきゃないっしょ!!
三「おい、おっさん?酔っ払いにかこつけてヤラシイこと考えんじゃねぇぞ?」
ミツ···頼むから、今オレの心を読むな。
環「ヤラシイことって?」
壮「環くん···そこはあまり考えなくていいと思うよ。その···大和さんは、大人だし」
ソウ···なんか微妙に論点ズレてる気もするが···
ナ「ミツキ···もしかしてヤマト、オオカミになりますか?」
三「そうなったら全力で止めるけどな」
しかしなぁ···なんでも1回だけお願い聞く券、とか。
まるで小学生が父の日に送る肩たたき券みたいな感じだな。
「なんに使おうかなぁ、これ」
わざとらしくヒラヒラとカードをさせれば、隣にいる愛聖がそんなに悩まなくても···と笑いだした。
『普段の家事当番の交代とか、あ、ビール買ってこいっていうパシリでもいいですよ?』
「おぉ、それは名案!···って言いたいところだけどな?そんなことに使ったら勿体ないだろうって話で」
だいたいそんなの、普段から家事交代ってより愛聖が率先してやってくれてんだから当番交代もなにもないってのよ。
ビールは成人組のミツやソウが買い出しに行ったら、大概買って来てあるし。
「やっぱオレ得の為に使いますかねぇ?」
フフン···と笑いながら、なおもヒラヒラとさせながらカードを眺めてみる。
一「二階堂さんが得をするというのは、例えばどんな事があるんですか?」
「そりゃまぁ、オレは大人だし?ついでに言えば愛聖だって大人だろ?」
とか言ったら、お年頃のコイツらはきっと···
陸「きっと大和さんは···エッチな事に使うんじゃないかな···」
環「それってどんな?」
陸「だから、えっと···」