第6章 秘密のKISS (2019.2.14 大和 生誕)
「タマ···ビールおかわり、早く」
環「んー···いいけど、ヤマさんまだ飲むの?」
いいんだよタマ···今は飲みたい気分なんだから。
三「おっさん!いつまでも拗ねてんなよな!」
ミツ···ほっといてくれよ。
壮「大和さん、この空き缶···僕が片付けてもいいかな?」
ソウ···おまえさんのその優しさが染みるよ。
陸「大和さん、どうして拗ねてるんですか?」
一「七瀬さんは、ホントに空気が読めない人ですね。二階堂さんは、佐伯さんが私たち全員にチョコレートを配るとは思っていなかったようですから」
···この件に関しては空気読めないのは、お前もだよイチ。
ナ「マリーからワタシに愛のプレゼント···マリー!ワタシの全て、アナタに捧げましょう!」
···ナギは平和だな。
ハァ···オレだけだと思ってたのに。
まさか、全員に義理チョコ状態だとは。
社長にも、万理さんにも。
それだけじゃなく、リクの話じゃ九条たちにもある···とか言ってた。
なんだよ···オレだけじゃなかったんじゃん。
全員、義理チョコじゃん?
プシッ···とプルタブを開けて、もう何本目か分からない本数の缶ビールに口をつけ喉を鳴らす。
少し前の、ひとり浮き足立っていた自分を笑う。
アホだな、オレ。
『二階堂さんは、何に対して拗ねてるんですか?』
ひょっこりと愛聖が顔を覗かせ小首を傾げている。
「ほっとけっての」
『だって、いつにも増して酔っ払いじゃないですか。逢坂さんが片付けを始めるくらい空き缶並べちゃって···とりあえず、コレはもう終わりにしませんか?』
オレの手から缶ビールをパッと取り上げ、片付けをしているソウへと手渡す。
「まだ半分以上入ってんのに」
『代わりにこれを差し上げます』
はいどうぞ?と差し出された包み紙には、なんとも言えない可愛らしいラッピングが施されていて。
「これは?」
『今日、二階堂さんってお誕生日ですよね?だから、私からささやかなプレゼントです』
「あ、そう···ですか···」
ヤバイ···オレいま絶対ニヤけそうになってる。
「開けても?」
『どうぞ?』
ぐうたらな姿勢で寄りかかっていたソファーから、さも面倒くさそうに起き上がるフリをして、リボンを解いて行く。
「これって···」