第12章 いつか届くといいな・・・ ( 七瀬 陸 )
いくらこんな状態だからって、本人を目の前に好きとか言っちゃってるし。
そう思いながら愛聖さんを見れば、愛聖さんの顔は驚きながらも赤くなっていて・・・
「えっ、と・・・愛聖さん?どうしたの?」
『あ、いえ・・・いまちょっと、こっち見ちゃダメです・・・』
「・・・なんで?だって顔が真っ赤だよ?」
『だから・・・見ないで下さい・・・』
ついさっきまでオレにベッタリくっついてたはずの愛聖さんが、その手を離して自分の顔を隠すから、その理由が知りたくてみんなを見ると・・・
百「ユキ・・・わ、笑っちゃ、ダメだってば・・・」
千「そういうモモ、こそ・・・笑っ・・・フフッ・・・」
・・・なんでみんなして笑いを堪えてるの?
オレ、なんか変なこと言ったかなぁ?
あ、言ったのは言ったんだけどさ。
「愛聖さん、なんかみんなの様子が変なんだけど・・・なんでかな」
もういちど愛聖さんを見ながら言えば、大和さんがオレの肩をポンッと叩く。
大「リク・・・その辺で勘弁してやって?じゃないと愛聖が爆発する」
爆発?
どういう意味?
大和さんに言われた言葉を考えていると、今度はRe:valeの2人が近付いて来て。
百「ゴメンな陸・・・実は、これ・・・」
笑いを堪えながら百さんがオレに向けたプラカードには。
〖 NEXT Re:vale 出張ドッキリ企画!第1弾 アイドルのホンネを覗いちゃおう! 〗
出張・・・ドッキリ、企画・・・・・・?!
って事は、つまり?
「全部、ウソ・・・?」
千「そうね・・・でも、全部ではないよ。下岡さんの番組でのRe:valeや愛聖の番宣は本物だし、あの催眠術師も、ちゃんと本物だ。僕たちの番組企画の為に協力はして貰ったけどね」
そこだけじゃん!!
えっ・・・ま、待って?
じゃあオレ、いま・・・催眠術にかかってない愛聖さんに好きとか言ったの、聞かれて・・・た?
大「よかったなぁ、愛聖。リクはおまえさんの事ちゃんと好きだってよ?」
ニヤニヤと楽しそうに笑う大和さんが、愛聖さんを覗き込んで言えば、愛聖さんは更に顔を赤くする。
あれ・・・でも催眠術が嘘だったら・・・