第12章 いつか届くといいな・・・ ( 七瀬 陸 )
ナ「oh・・・sorry・・・タマキの言う通り、マリーは眠ってませんね・・・」
ナギも考え直すところ違うって!
一「起きてるか寝てるかは別として、試してみる価値はあるんじゃないですか?七瀬さん・・・お願いします」
「はぁ?!なに言ってんだよ一織!そんなの簡単に出来るわけないじゃん!そもそもそんな事したことないのにさ!」
一「そうですか・・・じゃあ、いまが経験を積むチャンスですね」
「そういう事じゃなくて!愛聖さんは催眠術にかかっちゃって、それを解くのにキスが正解かも分からないのに軽々しく出来ないよ!」
大きな声で一織に言い返せば、そのせいか周りが急に静まり返る。
「もしこれが大和さんだったら・・・」
千「え・・・大和くん?」
大「オレ?」
「はい・・・もし今のオレのポジションがいつもの大和さんだったら、愛聖さんとキ、キス出来てラッキー!とか、思うかもだけど・・・」
大「リク・・・おまえのオレのイメージってどうなってんのよ」
だっていつもの大和さんなら、酔っ払って愛聖をからかってほっぺにチューとかしてるじゃん!
酔いが醒めてから三月と愛聖さんに怒られてるけど。
「オレは、可能性があるかも分からないのにそういう事をするのはイヤです。それに、もしそれが正解だとしても、愛聖さんだって好きでもない人にそんなことをそれたらイヤだと思うし」
大「でもなぁ、リク?今なら催眠術かかってるから愛聖はリクの事をここにいる誰より好きなんだぞ?催眠術が解けてから、実は・・・って話せばいいんじゃないの?」
「それでも・・・オレはイヤです。今はオレの事が好きって言ってくれてても、それは愛聖さんの本心じゃないから。オレは愛聖さんの事は好きだけど、それならちゃんといつもの愛聖さんに好きって言いたいし、好きだと思われたい。だから、他の方法を考えて助けたい・・・です・・・」
あ、あれ・・・?
オレって今もしかして、サラッと愛聖さんに告白してるみたいになっちゃってない?
そこに気付くと、なんか急に恥ずかしくなってきた・・・