第12章 いつか届くといいな・・・ ( 七瀬 陸 )
下「でも凄いですねぇ!これほどまでに催眠術が通用するとか・・・う~ん、僕も見習いたい!なんてね!」
進行役のミスター下岡さんも楽しそうにコメントをして、自分なら好きな女の子に催眠術かけて自分を好きになって貰う!だなんてびっくり発言まで飛び出す。
下「ちなみに、ですけど。例えばそういうのって、出来ちゃったりします?」
「そういうのは試した事がありませんが、やってみますか?・・・あ、そこのアナタ、こちらにどうぞ」
『え、私ですか?』
「えぇ、今日は女性はアナタだけなのでお付き合い願います。どうぞ、こちらへ」
下「佐伯ちゃんに好きになって貰ったら、僕はずっと催眠術解けなくてもいい!」
そんな、ミスター下岡さんの言葉がスタッフの笑いを誘う中、愛聖さんが指定された場所へと移動する。
「では始めましょう・・・佐伯さん、この蝋燭の炎を見つめて下さい」
愛聖さんの前に出された蝋燭が、その炎をゆらめかせる。
「あなたは炎が消えて行くのと同時に深い深い・・・眠りに落ちていきます。そのまま目を閉じて・・・もっとリラックスして・・・」
術師の言葉に誘導されて愛聖さんが目を閉じると、次第にその体が傾き出してイスの背もたれにクタリとする。
「それでは・・・あなたが目を覚まして最初に視線が合った人を好きになり、その人と離れられなくなります・・・とても好きで好きで仕方なく、いつも一緒にいたいと思うようになります・・・」
・・・えっ?!
それってヤバくない?!
大「最初に目が合ったヤツとって・・・じゃあ、もしもの時の為にオレが目の前に立っとくかな?」
千「やだなぁ大和くん・・・その役目は僕だろう?」
大和さんと千さんがお互いに微笑みあうけど、なんか違うよね?!
下「いやいやいや~、せっかくの機会だからさ?ここはやっぱりMCの僕ってのはどう?」
百「それならオレも立候補しちゃう!」
大「なにを仰いますか・・・超絶売れっ子アイドルはお忙しいでしょうから、ここはやっぱり同じ寮で生活してるオレが1番適役でしょうが」
一「その言葉通りなら、二階堂さんじゃなくてもいいのでは?例えば私とか」
ちょっ、一織までなに言い出すんだよ!
環「俺も!俺もマリーと一緒にいるのがいい!」
環までなに言ってんだよ!