第12章 いつか届くといいな・・・ ( 七瀬 陸 )
じゃあ早速お願いしまーす!と言うミスター下岡さんの声で、収録が進行して行く。
そして・・・
百「な!この肉めちゃくちゃ美味いでしょ?!」
千「そうね・・・これから毎日食べてもいいかも」
・・・う、うそ?!
あんなにクールな千さんが呆気なく催眠術にかかり、百さんから差し出される肉を食べた。
それに・・・
『え?ちょっと?!・・・二階堂さん?!』
大「なんで逃げるんだよ愛聖・・・ほ~ら、捕まえた・・・」
え?
えぇっ?!
千さんと同じように呆気なく催眠術にかけられた大和さんが、愛聖さんを壁際に追い込んで抱き締める姿に言葉が出ない。
大「ホントはずっと前から、お前をこうして抱き締めたかった・・・オレの気持ち、受け入れてくれる?」
『あ、えっと・・・それはちょっと・・・に、二階堂さん?顔!顔近いです!・・・みっ、三月さん助けて!』
三「よっしゃ任せろ!」
叫ぶ愛聖さんと同時に、三月がスパーン!と大和さんをハリセンで叩く。
・・・ハリセン?そんなものいつの間に用意されてたんだろ???
大「痛っ!!・・・って、あれ?オレいま・・・何してたんだ?・・・うわっ?!愛聖?!え?!えぇっー?!」
催眠術が解けた大和さんが、自分が抱き締めてる愛聖に気付いて慌て出す。
環「ヤマさん、マリーのこと好きだったの?」
大「な、なな、なに言ってんだタマ!違う!違うからな!」
環「でも、催眠術かけられて抱きしめてたじゃん。ズリー、俺もマリーのことギューってしたい」
大「だから!それは違うから!オレの意思じゃないっての!」
『二階堂さん・・・そこまで否定されるとさすがに悲しいです・・・』
環に追求されて慌てる大和さんの言葉に愛聖さんまでが加わって、更に大和さんが焦る。
「大和さんって、普段は愛聖さんに意地悪してるっぽかったのになぁ」
思った事をつい言葉にすれば、それを聞いていた一織がオレに鈍感だとチクリとトゲを刺す。
一「好きな子に敢えて意地悪をして気を引きたいというのを七瀬さんは知らないんですか?」
大「こらイチ!聞こえてるぞ!オレは小学生か!」
そんな大和さんを見て、スタッフまでが笑い出す。
大「全く・・・オレだけ大ヤケドじゃないか・・・」