第12章 いつか届くといいな・・・ ( 七瀬 陸 )
小「お疲れ様、みんな。軽く渋滞してて遅くなっちゃったよ」
しばらくすると社長が愛聖さんと一緒にオレたちの楽屋へと入って来た。
『すみません、お待たせしました』
「お疲れ様です、愛聖さ・・・」
百「おっかえり~!もうオレ待ちくたびれた!ってことでギューッ!」
環「あーっ!ももりんズリぃ!」
『えっ?!百ちゃん?!と、千まで?!』
千「待ってたよ、愛聖。なにか食べに行く?一緒にシャワー浴びる?それとも・・・僕?」
『あ~、そういうの今いらないから。っていうか、なんで2人がここにいるの?それから百ちゃん、そろそろ離して欲しいんだけど』
百さんのハグや千さんの・・・なんだか怪しげな出迎えに怯むこともなく、愛聖さんは慣れた感じで会話を続けてる。
百「だって朝から局にいるから退屈でさ・・・アイドリッシュセブンの楽屋にいたら楽しいし、早くマリーにも会えんじゃん?」
『百ちゃんのそういう気持ちは嬉しいけど、Re:valeがいつまでもここにいたらアイドリッシュセブンが支度出来ないでしょ?』
まぁ・・・確かに。
千「へぇ・・・愛聖、僕たちは先輩なのに追い出そうとするの?」
千さんのそんなひと言を気にもせず、愛聖さんが営業スマイルを浮かべて・・・千さんと百さんの腕を引っ張った。
『先輩だったら、分かるよね?どうしなきゃいけないのか』
うわ・・・愛聖さん、何気にその言い方って怖いよ・・・
『さ、自分たちの楽屋に戻って?じゃないと岡崎さんが泣くよ?』
百「えぇ・・・オレもっとマリーとおしゃべりしたいのに!ユキだってそうだろ?」
千「まぁ、そうね・・・」
『おしゃべりならいつでもしてるでしょ?・・・先輩?』
ひゃぁぁぁぁぁぁ・・・こ、怖い・・・怖いよ愛聖さん?!
そんな愛聖さんの言動に驚くオレたちをよそに、愛聖さんはRe:valeを追い返してしまった。
『よし、帰った!ごめんね、今度から今みたいに追い返して大丈夫だからね?』
うふふ・・・と笑う愛聖さんを見て、オレの中の怒らせたらいけない人ランキングで壮五さんの次に愛聖さんが入るんじゃないかな・・・と、密かに順位を入れ替えてしまった。