第12章 いつか届くといいな・・・ ( 七瀬 陸 )
今日はオレたちがレギュラー出演してるミスター下岡さんの番組収録で、なんと世界的に有名な催眠術師って人が特別ゲストだから、すっごい楽しみ!
更に言えば、Re:valeの2人も NEXT Re:vale の特番の番宣でスタジオに遊びに来るって言ってたし、愛聖さんも主演してるドラマの番宣を兼ねてのゲスト出演でって聞いてワクワクしてたのに・・・ドラマの仕事の都合で愛聖さんは別入りだってマネージャーに聞いて・・・
百「やっほー!朝からずっと番宣続きで局にいるから遊びに来ちゃった!・・・って、なんか陸ってば元気ないじゃん?どした?お腹でも空いてる?」
ババーン!と勢いよく楽屋のドアが開いたと思ったら、飛び込むように現れた百さんがオレを見て顔を近付けてくる。
「お腹は大丈夫です。けど、愛聖さんも今日のゲストなのにオレたちとは別行動で、ちょっと寂しいな・・・って」
普段から愛聖さんと仲がいい百さんに遠慮がちに言えば、百さんはなんだそんな事か!って笑い出す。
百「さっきラビチャしたら、マリーならもうすぐ着くって返事来たぞ?な、ユキ?」
千「そうね・・・モモは暇さえあれば愛聖とラビチャしてたから」
大「うわ・・・出たな妖怪天邪鬼」
いつも千さんに絡まれてウンザリしてる大和さんがポソッと呟けば、それはちゃんと千さんに聞こえていて、千さんは楽しそうに微笑みを返していた。
百「そういうユキだってマリーと電話してたじゃーん!」
千「今日、同じ番組でゲスト出演を楽しみにしてたのはモモだけじゃないってことだよ。僕は愛聖を愛してるからね」
百「オレもオレも!」
あ、はは・・・隠すことも無い千さんたちの愛情表現って、聞いてて照れる・・・
千「まぁ、そういう事だから僕たちもここで愛聖を待たせて貰ってもいいかな?」
「え、あ、はい!どうぞ!」
大「いやいや・・・自分らの無駄にだだっ広い楽屋にお帰り下さいよ」
千「じゃあ、陸くんのお言葉に甘えてお邪魔するよ」
大「ちょっ、オレの話聞いてる?!」
そんな大和さんの叫びもそのままに、壮五さんたちが慌ただしく用意したお茶を飲み出す千さんは、やっぱり楽しそうに微笑みながら大和さんを見ていた。