第11章 A little more to love (大神万理 )
小「万理くん、実は昨日の夜に僕の所にコレが届いてね。ちょうどみんながいる時だったから、せっかくだし明日の朝みんなで見ようって話になって」
ヒラヒラとディスクケースを俺に見せて、社長が嬉しそうな顔をする。
ディスクケース・・・?
「あ、あの社長?まさか・・・とは思いますけど、それってもしかしてもしかすると・・・?」
小「うん、そのまさか。万理くんがあの日に頑張ってくれた、例のアレだよ」
満面の笑みを浮かべながら言う社長を前に、手荷物が床へとダイブする。
「見・・・るん、ですか・・・?」
小「もちろん。あ、大和くんコレ頼んでいいかい?」
大「了解です・・・よし、ポチッとな!っと」
大和くん・・・それ社長なみにフリが古いよ・・・
じゃあなくて!!!
「ちょっ、待っ!!や、大和くん止めよう!それ!リモコン貸して?!」
大「あ、じゃあ・・・なんて言うわけないっしょ?ほれ愛聖。万理さんが絶対取れない所に保管!お兄さん命令!」
『アイアイサー!』
大和くんからリモコンを受け取った愛聖が素早く自分の胸元にそれを差し込む。
っていうか、どこに隠してんだよ愛聖は!
陸「あ!始まった!」
嘘だろ?!
テレビからはオルゴール調の音楽が流れ出し、あの日の千と愛聖が映し出されてストーリーを紡いで行く。
ライスシャワーを浴びながら微笑み合うふたりの姿は、本当に幸せそうで・・・ウエディングパレスの窓から差し込む光に照らされながら、ゆっくりと顔を寄せあって口付けを交わすところで終わる。
ナ「マリー・・・ワタシという者がありながら、ミスターユキと・・・NOOOOOO!!!!」
三「うっせーぞナギ!黙って見てろ!」
環「なぁマリー、あれってホントにゆきりんとキスしてんの?」
壮「環くん!そういう事はあまり聞いちゃダメだよ・・・」
環くん、俺は知ってるよ。
監督に寸止めでいいって言われてたのに、千はホントに・・・
陸「今度は百さんバージョンだ。わぁ・・・なんかこういうのってカッコイイ・・・」
一「花嫁を攫うことがですか?それがしたいと言うなら、七瀬さんはどこまでも全力で走れるように鍛えないといけませんね」
陸「っかぁぁぁ!ほんっと一織はかわいくないぞ!」
三「一織!陸!お前らも静かにしろ!」