第11章 A little more to love (大神万理 )
『うわ・・・そんなこと平気で言うなんて、集合が朝早過ぎて千の脳細胞がまだ寝てる・・・今のって寝言かな?』
千「起きてるから」
百「オレが泊まり込んで、おかりん来てから起こすの頑張ったんだよ」
「岡崎さんも大変ですね・・・」
岡「もう、慣れましたけどね・・・ハハッ」
百くんの話を聞いて俺の隣に立つ岡崎さんに声を掛ければ、明らかに辟易とした顔を見せた。
千「あれ、なんで万がいるんだ?今日はうさぎのおじさんじゃないのか」
「うちの社長をうさぎのおじさんって言うな。今日はちょっと都合があって社長の代わりに俺が同行者なんだよ」
千「マネージャー仕事だけ?」
「当たり前だろ。他に何があるんだ」
千「ふ~ん?・・・・・・・・・フフッ」
なんだ今の長い間の後の含み笑いは。
「とにかく今日はうちの佐伯を宜しくお願いします」
千「佐伯って・・・いつもは愛聖って呼んでるくせに」
「うるさい。千、お前も早く行けよ。準備とか着替えとかあるだろ。てっぺんまでには終わらせろよ?」
千「てっぺんとか・・・業界人みたい」
「千、頼むから仕事してくれ。岡崎さんが泣くぞ?」
千「そうね・・・じゃあ万、また後で」
全く千は・・・マイペースなのは昔と変わらずだな。
いや・・・昔よりは少しマシになったのか?
それもきっと、百くんの日頃の頑張りだろうな。
っと、俺たちもこんな所でいつまでも油打ってる場合じゃないな。
「愛聖、俺たちも控え室に行こうか。メイクだとかそういうの、時間いるだろ?」
『そうだね。あ~、今日は何回フルメイクやり直すんだろ。お肌荒れちゃうかも』
「TRIGGERのマネージャーに教わったスキンケア毎日やってるんだから、いつでも潤いツヤツヤ肌だから心配いらないよ」
マシュマロのように柔らかな頬を指先で突っつきながら言えば、愛聖は自慢の頬っぺで~す、なんて笑って歩き出す。
そんな愛聖の後ろに着いて、俺も歩き出した。