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〖 IDOLiSH7 〗カラフルパレット

第10章 甘さはなくても・・・(2020.2.14 八乙女楽 )


~ bonus episode ① 大神万理 ~

今日の分の収支報告書を社長に提出すると、社長から小さな箱を手渡される。

「なんですか、これ」

小「愛聖さんから預かってたんだよ。万理くんへのバレンタインだって。ちなみに僕も貰っちゃった!」

嬉しそうに色違いの小箱を見せられ、じゃあコーヒーでも入れますねと用意をして社長室へと戻る。

まさか・・・手作りか?

いかにもそれっぽい包みである事を確認して、胃薬の在庫はあったっけ?とおかしな汗が出る。

小「三月くん監修の元で愛聖さんが最初から最後まで頑張って作ったんだって」

「そう、ですか・・・三月くんがついてたなら、じゃあ・・・」

余計な心配はいらないかな?と肩の力を抜く。

小「そう言いながらも万理くんは嬉しそうだけど?ほらほら~、顔が緩んじゃってるよ~?」

社長に指摘されて思わず顔を隠しながらも、嬉しいことには変わりないか?と笑って誤魔化す。

小「そういえば今年も万理くん宛のチョコがたくさん届いてたみたいだね?」

「はい、まぁ・・・でも、義理ですよ?取引先の人からだとか、そんな感じのです」

社長と会話をしながら包みを開けば、中にはカラフルなマカロンが並んでいる。

小「へぇ・・・マカロンなんて、僕は初めて食べるよ」

「実は、俺もです。いつも三月くんにキッチン爆発させるつもりか?!とか言われてるのに、よくこんなの作ったなぁ」

社長と同じように自分もひとつ手に取って、愛聖がこれを作っている間の三月くんは、さぞ精神的疲労があったんだろうと苦笑する。

「社長、せっかく初めて食べるんだから、お先にどうぞ?」

小「ヤダなぁ万理くん。キミこそ先に食べたらどうだい?あの愛聖さんが一生懸命作ったんだから」

ニコニコ顔を崩さずに、社長が俺を見る。

「いやいやいや・・・この場合、上司である社長が先にどうぞ?」

そして俺も・・・同じように笑顔を見せながら、社長を見る。

なんとも言い難い空気が漂い、同時に吹き出してしまい、お互いに手の中にあるマカロンを見つめた。

小「同時に・・・食べるのはどう?」

「そう・・・ですね」

初めて食べるマカロンが、これほど勇気がいるものだとは・・・思わなかった。






~ END ~














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