第10章 甘さはなくても・・・(2020.2.14 八乙女楽 )
ナ ー さすがワタシのマリー!あまりのキュートさに、ワタシはオオカミになりマース! ー
壮 ー とてもよく似合ってると思うよ。寮でよく着てるネコさんも可愛いけど、うさぎさんも可愛いよね ー
「お前・・・普段からこんなモン着てるのか?」
届いたメッセージを見ながら聞けば、愛聖はパジャマだからね、と笑う。
オオカミ宣言してるヤツもいるのに無防備過ぎるだろ!
大 ー ふわモコのうさぎもいいけど、お兄さんはバニーちゃん希望 ー
おい!
そんなモノ着せて愛聖になにをさせるつもりだよ!
一 ー お気に入りのを置いていったと思ったら、うさぎを着用だったのですね。寮でも着る予定ですか? ー
お気に入りって、愛聖はどんだけ持ち合わせてんだ?
三 ー ほんと愛聖はそういうの好きだよな。ま、似合ってるからいいんじゃね?それより八乙女にアレ渡したのか? ー
「は?俺に?おい愛聖、アレってなんだ?和泉兄が言ってるやつ」
『え?あ、えっと・・・な、なんだろね?』
なんだ?
なんで急に、そんな口篭ってるんだ?
『まぁ、うん・・・お楽しみは最後の方が、ね?』
「意味わかんねぇよ」
小 ー よく似合ってるね~!せっかくだから八乙女にも送ってあげたら? ー
「八乙女にも送ってあげたら?・・・って、愛聖!やめろ!絶対それだけはやめろよ?!」
こんな格好してるだなんて知られたら、それこそ何言われるか分かんねぇよ!!
『あ、でも社長が送ってくれてるみたい』
「はぁっ?!」
小 ー 愛聖さん忙しいだろうから僕が代わりに転送しといたよ~ ー
「お前んトコの社長はなに考えてんだ?!」
『いいじゃん別に!八乙女社長だって楽がちゃんと仕事してるんだーって思うだけでしょ?』
仕事って、こんなコスプレ紛いな事をしてるとは思ってねぇだろうよ!
せめてもの救いは、アイドリッシュセブン関係のヤツらだけに送信されたって事だな。
天と龍に知られてないのは、不幸中の幸いってやつだ。
・・・なんて、思ったのも束の間、今度は俺のスマホが鳴り出す。
天 ー 楽、妙にソワソワして事務所を出たと思ったら、うさぎになりたかったんだ?新しい扉が開けたんじゃない?愛聖に感謝だね ー
ほっとけよ!