第9章 決意
相澤は、幼い頃から自分を育ててくれた、大切な家族だ。血の繋がりがなくても、家族であることに変わりはない。
親なのか兄なのか、そこは微妙なところだが、そんな事はどうでもいいことだった。
自分はクラスメイト──緑谷のような──大層な理由があってヒーローになりたいと思っている訳ではない。
何となく、将来安泰だからという理由だけである。たまたま自分は体術も得意だから、そのまま金に繋がると思っただけだ。
でも、唯一の家族を守りたいとは思う。
産みの親は、この世にはもういない。
相澤だけが、事実上唯一の家族なのだ。
そんな彼が、大勢の敵と戦っているのだと聞いて──黙って見ているなんて選択肢はどこにもない。
マイクの目を真っ直ぐ見つめると、よし、と頷かれた。
「お前も来い。みんなを、助けるぞ」