• テキストサイズ

【ヒロアカ】"無個性"だけどヒーロー科

第32章 閉幕


***
「ターゲットは死穢八斎會、拠点を押さえます」
「クロノス、頼んだ」

隣から、慣れ親しんだ声が聞こえてくる。
低く甘く、少女の耳を心地よく刺激した。

よし、それじゃあ。

「──────突入!」

もう、自分には居場所がある。

友人もいる。

もう、仲間には怖がられないのだ。

やっと、認めてもらえたのだ。

敵には、怖がられてなんぼ。

それならば、個性を使うまでのこと。


周囲に、モノクロの風景が広がった。
それは、とある1軒の豪邸のみ。
飛び出してきたペストマスクの大男も、その瞬間に宙に浮いて止まる。

「行くぞ、クロノス!」
「はい!」

大好きな大好きな、男と共に。
少女は戦場へと駆け出した。

背後には頼もしい、友人もいる。
少女の個性を知っても尚、親しくあろうとしてくれている、大切な存在だ。


「無個性」だからなんていう嘘も言い訳も、もう必要なくなった。


勿論、事情はクラス内での共有された秘密、つまり他クラスなどには話すことなどできないけれども。






「"無個性"だけどヒーロー科」。






だけどその少女は、ものすごく優秀で。

なぜかプロヒーローである教師たちとも仲がいい。

噂が噂を呼び、卒業する頃にはいくつもの事務所からスカウトされ、また、1年目にして早くも多くのスポンサーをつけることになるほどの有名ヒーローになる。
また、スカウトを全て断り、担任だった教師の事務所に行くことになり、その頃には苗字も変わっているのだが────────────









それはまだまだ、先の話。


だけどもきっと、幸せな話。



/ 288ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp