第7章 不仲な2人
その言葉は、やはり緑谷に向けられている。
先生公認になってしまうのはさすがに彼女にも失礼じゃないか、いや、でも本当に嫌だったら噂は否定するよね?──などと、緑谷は真っ赤な顔のまま、ブツブツと呟き始める。
お馴染みの光景とも言える緑谷の独り言だが、内容が内容だけに、皆の視線は生あたたかいものであった。
じゃあ待っている間に説明するわね、とミッドナイトが授業のオリエンテーションを始めて約5分後。
緑谷たちの後方から、ぎゃあぎゃあと、誰かが喚く声が耳に入った。
何事だと、全員が振り返る。
そこで目に入ったのは、
「やめてよ!!離してってば!!!!暴行罪で訴えてやる!!!!!!!」
「煩い。授業をサボる奴が悪い」
相澤の捕縛武器で捕らえられ、ずるずると引き摺られている、流衣の姿だった。
初めて聞く彼女の元気な(?)声に、全員が驚く。
「ミッドナイトさん、ウチの生徒がすみません」
拘束は解かないままに、相澤はぺこりと頭を下げた。
「やだってば!!!!私は機嫌が悪いから帰るの!!!!!!!」