第5章 意識の違い
一方その頃、爆豪宅では────
「アイツ……マジで、何しやがった…?」
爆豪は、思考を巡らせていた。
ここ数日、ずっとこの調子だ。
──気が付いたら膝ついてて、
──重めの衝撃が、腹のあたりに…
今日の戦闘訓練で、その実を明かしてやろうと思っていたのに、それが叶わなかったのだ。
服を捲り、衝撃のきた腹を見る。
──やっぱ、痣とかはねぇな…
自分の膝がつくのと衝撃が来るのとが、同時だったのがどうにも解せない。
そして、
──あんなに近くだったってのに…あいつが動いたの、分かんなかった。
──クソ、授業サボりやがって。
──教師側の「事情」って何だよ…
爆豪は知らない。
流衣が特別な事情を抱えていることを。
教師達とは、プライベートでの付き合いがあるという事を。
彼女がヒーロー科に来た理由を。
そして、なぜ「無個性」になっているのかということを──