第31章 向き合うことは時として混沌
「「「「おかえり、時暮(さん)!!!!!」」」」
流衣が教室に入ると、温かな声が出迎えた。
まさかアクションがあるとは思っていなかった流衣は、驚きを隠せない。
「…え、何?」
事情を知った者達の態度ではないだろう。
相澤が自分の謹慎中に事情を話した筈だ。
追い出されるとさえ思っていたのに。
なぜ、皆こんなにも笑顔なのだろうか。
恐れないのだろうか。
自分は殺人者なのに。
「今日からなら来れるだろうって聞いてたからさ」
緑谷がにっこり笑う。
流衣からしてみれば、彼の態度が1番疑問である。
「なんで、私にそんな…っ、優しくするの?私は、殺人者なんだよ?親を殺したんだよ?」
拳が震える。
涙声になっている気がしたが、到底抑えられるものではなかった。