第4章 ヒーロー基礎学
「自殺志願者…」
爆豪はクラスメイトの言うように、確かに才能がある。プライドというか、自尊心の高すぎるところは問題かもしれないが、それは教師の育て方次第でどうにでもなるだろう。
だが、個性の使い方についてだけは、どうしようもない。同じ個性でない限りは、アドバイスのしようがないからだ。
──あれ、でも緑谷の個性って…
ちらりとオールマイトを見る。
よく分からないが、似たものだと思う。
増強型の強個性。
うまく使いこなす事ができれば、かなりの実力者として世間に名を馳せることができるだろう。
オールマイトは、もう以前のように長時間の活動ができない体になっている。
生徒の前ではテレビなどで見慣れているあの姿だが、職員室やプライベートで会うと骸骨のような外見になる。それが普通になってしまったのだ。
モニターを再度見遣ると、爆豪と緑谷がほぼ殺し合いに近い形で激突していた。
──止めに入らないところからしても…
オールマイトは緑谷を特別視しているのだろう。
恐らく詳しく話してはくれないだろうから、詮索するつもりはない。
だが。
──彼に話を聞くくらいなら…いい、よね。
「ヒーローチーム…ウィーン!!!!」