第4章 ヒーロー基礎学
コンビが発表された後、流衣がおずおずと挙手した。
「私の名前が無いんですけど…」
そこで皆ハッとする。
やはり、無個性だとこのような訓練に参加するのは難しいのだろうか、と──
すると、それを肯定するかのように、あっさりとオールマイトが頷いた。
「ああ、すまないね。言い忘れていたよ。…君は見学だ。少し、こちらにも事情があってね」
何の事情だろうか。
緑谷には全く想像がつかなかったが、爆豪はムッとしたようだ。
どうやら、個性把握テストの時にしてやられた事を気にしているらしい。
これを機に、やり返そうとしていたのかもしれない。
「無個性だからってかぁ!?舐めてんのか、てめえぇ!!!」
「先生の話聞いてなかったの?こちらにも、って言ってんだよ。先生方が話し合って決めたって事でしょ、私に腹立てられても困る」